服を買うタイミングって人それぞれだと思いますが、どんな時に買うことが多いですか?
・サイズが合わなくなったとき?
・ファスナーが壊れてしまったり、何かの拍子で破れてしまったとき?
・好きなブランドの新作がでたとき?
・なんとなく飽きたから?
後半に関しては好みの問題になりますが…サイズが合わない、一部が壊れてしまった等はお直しするとまだ愛用できる可能性が高くなります✨
今回はCoCotonで可能な破れ直しやパーツ交換をご紹介します。
Ⅰ.破れ直し
まず大前提に、一度破れてしまったところをまったくの元通りに直すということはできません。
かけはぎ(かけつぎ)という共布や糸を使い手作業で直す方法ですと限りなく元の状態に近い仕上りになりますが、こちらは当店では行っていないお直しとなります。
場所や大きさにもよりますが、基本的に破れてしまった生地の裏側に似寄りの布を充て、ミシンで縫いたたいて穴を塞ぐので跡がと~っても目立ちます😢!
スラックスのような密で細い糸で織られている生地は、細い糸でミシン目も小さくして縫います。
デニムのようなカジュアルなパンツは元々の生地が粗めに織られているのでスラックスよりもざっくりと縫っていきます。
そもそもの機能としてポケットに物を入れるのは当然のことですが、財布や携帯などの厚みのある物をいれると負荷がかかりやすく、出し入れの過程で布が摩耗して破れてしまいます。
後ろポケットの場合、スラックスのような玉縁ポケット(ピス・ポケット)はポケット口が小さくなってしまうことがあります。
デニムのようなパッチポケットの場合はポケットを外してから修理することが多いです。
その為、付け直しする際のステッチの糸の色や太さが変わります。
日常生活の中で歩く、立つ、座るなどの動作を行いますが、知らず知らずのうちに摩耗し、気付いたときには大きな破れとなってしまうことが多い箇所です。
特に自転車に乗る機会が多い方は腿の辺りからお尻の方まで広範囲に擦れてしまっていたり、バイクに乗る方もデニムが薄くなってしまっているという経験があるのではないでしょうか?
広範囲になるとほんとに目立ちます!
お尻の方になればなるほど目立ちますのでそちらだけご注意ください。
デニムなどのカジュアルパンツは、修理箇所に厚みがで、ストレッチの効いたパンツは伸びにくくなります。
ベルトループ本体もですがその下の部分も引っ張られ、破れてしまうことがあります。
この破れの場合、一度ループを外してからミシン刺しを行い、再度ループを付け直します。
デニムの場合このループが閂止めという方法で付けられていますが、こちらの仕様が変わります。
スラックスの裾の擦れの多くは「裾が長い」、「ウエストサイズが合っていなく歩いているうちにスラックスが下がってきてしまう」といったことで靴が擦れてしまい破れてしまいます。
お直しの方法としては一度解いてから穴を塞ぎ、修理箇所が表に出ない程度に丈を短くします。
よく裾が擦れてしまう方は丈感やサイズを見直してみるのをお勧めします。
その他にもデニムの膝や腿の破れやファスナー下の擦れの修理も承っております。
細かくご指定いただければ、ダメージデニムの一部のみ穴を塞ぐといったことも可能です。
スカートのスリットやベンツは可動域を広げるために作られていることが多いですが、だからといって階段を一段飛ばしで上ったり…(笑)無理をするのはダメです🙅
負荷がかかりやすい為、お直しを行っても他の箇所よりも破れる可能性は高いです。
腕時計をされる方や袖が少し長い方、事務仕事をよくされる方などはスラックスの裾同様、袖先が擦れてしまうことがあります。
擦れてしまった先を中に入れ込む為、カフスの幅が狭くなります(袖丈が若干短くなります)。
縫い込む分量が多いような擦り切れの場合には両袖を選択すると、両袖の丈感を合わせることができます。
同様にジャケットやコートなどのアウターの擦り切れの場合も表から見えないように若干の丈詰めを行いますがこちらは袖の仕立てにより料金が異なります。
襟の部分は摩耗もですが、汗で生地が傷みやすくなってしまうのも原因のひとつです。
他の部分は綺麗なのに…という場合にはこの襟の部分を裏返して取り付けると綺麗に見えます。
※傷や汚れの箇所を直接修理するわけではないので内側にダメージは残ります。
カラーステイ(カラーキーパー)といった襟の形状を保つ為の芯が入れられるようになっているシャツはこのお直しはできません。
この方法は同じシャツで何度も行うことはできないので、襟を外してスタンドカラーにする、襟やカフスを白生地で作り替えてクレリックシャツにするといったリメイクするのもいいかもしれません(リメイクの場合は事前のご相談が必要です)。
Ⅱ.パーツ交換
パーツ交換となるものの多くは通常損耗によるものです。
何らかの形で壊れてしまったりしたものは基本的に再利用できません。
部品や資材のバリエーションは限られている為、ブランド独自のデザインや止水ファスナーなどの特殊な部品は別のものへ交換となります。
それによってブラウス価値が損なわれたり、機能保証がお約束できなくなる可能性があります。
まずファスナーは、引手の『スライダー』・かみ合うことで閉まる『務歯(エレメント)』・生地へ取り付ける為の『テープ』、他にも止具や開具などファスナーの種類によってパーツが異なりますが、おおまかにこの3つのパーツによって構成されています。
務歯の一部が破損している、務歯とテープが裂けて分かれてしまったという場合には交換が必要です。
歪んだ状態で無理に開閉するといった過度な力が加わることで破損してしまいます。
ファスナーにこれといった破損はみられないけれどファスナーがきちんと閉まらない場合は、スライダーの形が開閉しているうちに変形してしまっている可能性があります。
この場合はペンチで少し締めてあげると改善されることがありますが、それでも改善されない場合にはファスナー本体の交換が必要です。
スライダーの滑りが悪いときは油を差すことで改善されることが多いですが、錆びている場合にはファスナー自体が劣化しているので交換してもいいかと思います。
ネオバーとはデニムなどのカジュアルパンツのトップボタンやボタンフライについている金属製のボタンで、ネオバーボタンやジーンズボタンなど様々な呼称があります。
付ける際に生地に小さな穴を開けて鋲を打ち込んでいくため、着用していくうちに穴が広がるとボタンは取れてしまいます。
穴が広がって取れてしまったとするとこの穴を塞がない限り、何度新しいボタンを打ち込んでもすぐに取れてしまいます。
当店でお直しの場合はこの穴をミシンで縫い塞いでから交換します。
穴が大きければ大きい程塞いだ跡が見えてしまいます。
また、ボタンの再利用はできませんのでデザインや色味が大幅に変わる可能性があります。
裏地は着心地を良くしたり、型崩れを軽減したり、透け防止など様々な用途があります。
摩耗により擦り減ってしまったり、表地に比べて伸縮率がない為、負荷がかかると裂けてしまいやすいです。
生地の特性上、前項の破れ直しのようなミシンで縫い塞ぐ方法は余計に裂けてしまう為行えません(ダウンコートなどの素材も同様です)。
なので破れたり、裂けてしまった裏地はその部分に別の裏地を充てます。
カラーバリエーションは多くないのでデザインものは色味が変わってしまいます😓
裏地ではありませんがポケットの内袋の途中交換も行っています。
ベルトをしているとどうしても擦り切れてしまうベルトループは作り替えることができます。
柄ものは無地となる可能性があります。
同じものでベルトループを作る場合は丈詰めの際や購入時にポケットに入っている共布が必要です。
デニムなど表にステッチの見えるものは糸の色や太さが変わります。
破れ直しやパーツ交換は仕様が変わったり、場所によっては跡残りが目立つこともあるので、場所や大きさも考慮してお直しするか、新たに購入するか検討するのもいいかもしれません。
このようなお直し方法もあったなと知識を深めるだけでもサステナブルへの取り組みへの一歩となります。
今回でメニューに沿った紹介ブログは完結しますがこれからもお直しに関すること、ファッションやアパレルに関すること、CoCotonの新情報など様々なお話をさせていただきます。
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